療養病床削減に関する患者ご家族アンケート

深川第一病院では国の療養病床削減方針について、患者家族がどのように思っているか、療養病床で入院できなくなった場合、在宅介護が可能かどうか、アンケート調査を実施しました。

【調査方法】
 調査は19年5月現在入院されている患者家族へ書面にて行い、222通配布、内156通の回答を得ました。(回答率70.3%)

※調査時点での当院の入院患者数は262人(医療療養154人、介護療養108人)であり、医療療養には医療区分2・3に該当する患者様が8割以上、介護療養型での平均介護度は4.3と重度の患者様で占められています。

【調査結果】

自由意見欄の全記入はこちらをご覧下さい。

【考察】

深川第一病院へ入院中の患者家族へのアンケートでしたが、療養病床削減計画がある事を知っている人は54.5%で、まだ45.5%の人が知らなく、介護療養病床全廃に関しては67.9%の人が知らないと回答しています。介護問題が非常に身近な問題である患者家族にあっても知らない人が多数いるのですから、まだ介護問題が身近でない人の認知率はさらに下がると推察されます。いづれ誰もが年を取り、身近な重要な問題になるにも関わらず、療養病床削減計画だけが一般市民に周知されずに進行している事は、問題であり、削減後の受け入れ体制を具体的な形で示す事と、個々人の患者様の行く先をはっきりと医療機関側が明示できていなければならないと思います。

療養病床での入院が続けられなくなった場合、「現在の病状・状態で自宅介護が可能か」との問では「可能」と答えたのは僅か0.6%で、「不可能」が94.2%、「可能だが不安」が1.9%、「よく分らない」が3.2%となっています。

この内、「可能だが不安」「不可能」と回答した人の理由(複数回答)は、多い順に「介護する者が居ないから」(22.4%)、「容体が変化した時に対応できない」(22.2%)、「自宅の設備に不安」(20.5%)、「自分も高齢だから」(16.5%)、「自分も病弱だから」(10.5%)と続き、「在宅サービスが不十分だから」は4.9%と選択肢の中では最も低く、必ずしも在宅サービスの充実がすぐに在宅介護に結びつくものではなく、家族が介護しなくても外部サービスで充分な体制を作り、そのシステムが地域に納得して受け入れられている状況が必要と推察されます。また、その他の理由として、「働かなければならない為」「他に自宅に病人を抱えている」等が記載されていました。

 また、療養病床削減後、入所を希望する施設は「介護老人福祉施設」(36.3%)、「介護老人保健施設」(28.4%)、「一般病院」(22.8%)、「有料老人ホーム」(4.2%)で、「自宅へ帰る」と回答した人は僅か1名(0.5%)でした。

 さらに、自由意見欄には「生きることをやめる方法を明示してから方針を打ち出すべき。」、「国のかってで振り回される市民は大変なことを分って欲しい。」、「非情な政治だと思う。」など患者家族の困惑と悲痛な叫びが多数寄せられました。


アンケートの詳細につきましては、こちらをご覧下さい。